にっぽん食糧供給プロジェクト

2011年4 月の記事一覧

2011/04
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まる麦プロジェクト2010フィナーレ

Posted on 2011 年 4 月 18 日 by takumi

まる麦プロジェクト2009(1年目)

飲食店5店舗でまる麦メニューを提供。


そして、まる麦プロジェクト2010(2年目)

飲食店10店舗+α


帯広以外の飲食店でもメニュー提供をしていただきました。

北の屋台19店舗。

まる麦weekと銘打ったイベントを開催していただきました。

札幌でも協力を申し出てくれた店舗がありました。

帯広畜産大学 農業発信サークル「あぐりとかち」も参加。

学内でまる麦試食イベントを開催していただきました。




広がりました。

おやせなの想いを感じていただいた多くの方から激励のメッセージをいただきました。

多くの取材。多くの問い合わせ。多くの応援。

感謝してもしきれません。

そして、ようやくその集大成であるレシピが完成しました。

多くの方の理解と、多くの方の協力が形になりました。

「感謝」

その言葉しか今の気持ちを表現することができません。


しかし、まる麦プロジェクトが注目を集めれば集めるほど、

本来の趣旨を見失いがちになっています。

おやせなが伝えたい事は「農」と「食」のメッセージです。

まる麦プロジェクトで商売をしようとは思っていません。

多くの方に、「農」と「食」を感じてもらうことが僕らの望むことです。

でも、見える数字の魔力に引き寄せられてしまうんです。

つくづく弱い自分を実感します。


もちろん、商売を否定しているわけではありません。

求める人がいれば、報酬をいただいて供給する。

これは、ごく自然なことです。

商いとは、本来そうあるべきだと思っています。

私も会社から給料をもらって生活しています。

おやせなメンバーも農業で報酬を得て生活しています。

それは、決して否定されるようなものではありません。

しかし、おやせなでは利益を目的とした活動をやらない。

「やっぱりね」って言われてしまって想いが届かない。

それは本末転倒だと考えています。

ただ、レシピを印刷するにしてもイベントを開くにしてもかかるものはかかります。

今まで割り勘でやってきましたが、それも限界が近いのを実感しています。

やっぱり無理は続かないんですよね。

想いの活動は、使命や気持ちで動いているうちはいいのですが、

それが、義務になった時点でモチベーションを失います。

まあ、それはそれ。

追々無理をしないで活動できる方法を考えることにします。


しかし、まる麦プロジェクト2010は決して利益活動ではありません。

思わず首を縦に振りたくなる話を色々といただきましたが、おやせなではやりません。

ここで、自分自身に言い聞かせるためにも、

改めてまる麦プロジェクトにかけるおやせなの想いを綴りたいと思います。



元々は、おやせな初めてのイベント「アースカフェ~畑作4品の意義再考~」の中で、

畑作4品を感じる料理として振る舞ったのがきっかけでした。

多数の料理の中でも、まる麦は予想以上の高評価をいただきました。

「じゃあ、プロの料理人が作ったらどうなる?」

単純な思いつきでまる麦プロジェクトはスタートしました。


おやせなは食や農業を切り口として、

理解し合うことや支え合うことを伝えたいと思っています。

とは言うものの、おやせなもまだまだその価値を知っているとは言えません。

まる麦プロジェクトの企画を整理し進めていく中で、

まる麦はおやせなに多くのことを教えてくれました。


十勝は国産小麦の1/4を生産しています。

しかし、十勝に住む人でも知らない人がいます。

そして、それを生産する農業者も自分の畑の小麦を食べたことはありません。

小麦は食べ物なんです。

そして、日本の食糧基地「十勝」を支える作物です。

しかし、僕たちはそれを「食べ物」として認識していたのだろうか?

いつのまにか、小麦が持つ「食べ物」本来の価値。

それを作り出す「農業」本来の価値を見失っていたのではないだろうか?

そんな単純なことに改めて気付かされました。

当たり前のことなんですけどね。


繋がることの価値も教えてくれました。

小麦を栽培する農業者が「畑の作り手」

それを調理する料理人が「厨房の創り手」

作り手が小麦に想いを込めるのだとすれば、

それを食べ手に伝わる言葉にするのが創り手の役割。

そして、両者が同じ想いを持つことで、食べ手に伝わる。

それが、どんどん繋がっていくことでMessageが生まれる。

そんなことを、「作り手」と「創り手」をテーマとしたイベント

とかちをたべる会」に多くの方が集まってくれたことから実感しました。



「繋がること」を肌で感じることができたのは、僕達にとっての宝物になっています。

これも、そもそもは2009年から始まっています。

まる麦プロジェクト2009で使用した小麦は農場でとれたままのものでした。

小石も草も入った小麦を持って料理店にお願いに伺いました。

どうにかして僕らの想いを表現して欲しい。

「農業」や「食べ物」について、食べる人に感じて欲しい。

ワガママにしか聞こえない無理なお願いだったと思います。

それを、快く引き受けてくれた店舗が5店舗もありました。

料理に異物が混じるリスクがあったにも関わらず、

想いだけで協力してくれた店舗が5店舗もありました。

その5店舗がなければ、おやせなの想いは想いのままでした。

創り手が作り手の想いを受けて表現してくれる。

食べ手に届く言葉にしてくれる。

繋がることが。理解し合うことが今を作りました。

些細なことかもしれませんが、おやせなにとっては小さな奇跡です。


ただ、広がったことで限界も感じました。

協力していただいた店舗に十分なフォローができない。

お願いしておきながら、任せっぱなしになってしまう。

求められても対応できないことがありました。

残念ながら、想いの活動の限界だったと思います。

おやせなメンバー間でも議論しました。

フォローができないのであれば、広げるべきではないのかもしれません。

まる麦を買える場所がないのに、レシピを公開すべきじゃないのかもしれません。

正直、まだその答えは出ていません。

ただ、僕は思うのです。

失敗するにしても、やってから後悔しよう。

一歩目がなければ二歩目があるわけもない。

転んだって起き上がればいいじゃない。

ということで、やりたいことはやってしまうことにしようと思います。

ただ、僕達も子供じゃありません。

後のことは全く知らないって逃げてしまうくらいならやらない方がいいと思います。

要は、「作り手」も「創り手」も「食べ手」もおんなじ。

それぞれが、それぞれの立場や考え方を理解することなんですよね。

作り手(おやせな)には限界があります。

人手もなければ資金もありません。

もちろん、創り手にもあるでしょう。

いくら作り手の想いが込められていても、

納得のいかない料理をお客さんに出すわけにはいかない。

食べ手にもあるでしょう。

例えば、小麦アレルギーの方がまる麦メニューを食べられるわけもない。

つまり食べてもらうことを前提としたMessageは届かないかもしれない。


そんなことを言っても始まらない。

互いの限界を責め合うのではなく、

お互いができる範囲でやればいい。

できる範囲を理解すればいい。

そして、足りないものを補い合えばいい。

そもそも、それがまる麦プロジェクトの目的だった気もします。

「農」と「食」を通して、理解し合うことや支えあうことを感じる。

そうなんですよね。

こんなブログを書いている時点で、目的を見失っているんです。

おやせなが望むのは、想いを伝えること。

それだけでいいんです。

できないことはできません。

無理をしても続きません。

背伸びしないでちゃんと伝えよう。

それで駄目ならしょうがない。

書いていて、実感しちゃいました。


さて、話を戻します。

今回のまる麦レシピは、今まで書いてきた紆余曲折を経ています。

いわゆる集大成です。

いつか、皆さんの目に留まることがあるかもしれません。

ないかもしれません。

このレシピは、まる麦の普及拡大ではなく想いを届けるためだけに使いたいと思います。

もし、これを読む方が、このレシピに目を通すことがあったら、

そんなこと考えながら作ったんだぁ~と思い出してもらえれば幸いです。

最後になりましたが、まる麦メニューを食べて、

温かい応援をメッセージカードに記入していただいた食べ手の方々。

イベントに協力してくれた畜大あぐりとかちの皆。

レシピのデザインをしてくれたひよこプロジェクトの皆。

そして、作り手の想いを表現してくれた飲食店の方々。

心の底から ありがとうございました。

これからも、もっとたくさんの笑顔が繋がりますように。